○豊根村監査委員監査基準
平成5年7月1日
訓令第15号
第1 総則
1 監査一般基準
(基本方針)
(1) 監査を行うにあたっては、事務事業が住民の福祉増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果をあげるようになされているか。
また、その組織及び運営が合理化されているかどうか、特に配意して実施するものとする。
(2) 監査における監査及び意見の表明にあたっては、常に公正不偏の態度を保持し、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
2 監査実施基準
(年度計画の策定)
(1) 監査は、原則として、監査対象となる事務事業の実態、監査所要時間等を勘案してあらかじめ年次計画を策定し、これに基づいて行うものとする。
(各種監査の調整)
(2) 各種監査は、相互に有機的な関連を持ち総合的な成果が上がるよう調整、実施するものとする。
(計画的な監査の実施)
(3) 監査を行うにあたっては、監査の日程及び調書、事務分担、結果処理日程等実施計画を作成し、これに従って実施するものとする。
また、必要に応じて重点事項を定めるものとし、重点事項を定めたときは、これを実施計画に組み入れるものとする。
(事前通知)
(4) 監査を行うにあたっては、原則として監査対象機関に対し、監査の種別、期日、場所等をあらかじめ通知するものとする。
(指摘事項)
(5) 監査の結果、指摘した事項については、事後の監査においても十分留意するものとする。
3 監査報告基準
(監査結果の報告)
(1) 監査結果に、関する報告は、監査終了後速やかに報告するものとする。
(結果の公表等)
(2) 監査結果は、特別な理由があるものを除き、報告を提出し、又は公表する前に関係者以外に知らせないものとする。
第2 監査実施基準
監査は、次に定める実施方針に準拠し、2に定める監査着眼点から必要に応じ着眼点を選択し、3に定める監査技術のうち適切なものを採用して行う者とする。
1 監査種別と実施方針
(1) 定期監査(地方自治法。以下「法」という。)第199条第4項による監査をいう。以下単に条文のみを示す。) 財政に関する事務の執行は、適正かつ効率的に、経営に係る事業の管理は、合理的かつ能率的に行われているかどうかを主眼として実施する。
(2) 随時監査 (法第199条第5項)
定期監査に準じてその都度定める。
(3) 行政監査 (法第199条第2項)
事務の執行は、法令等の定めるところに従って適正に行われ、かつ、効率的に行われているかどうか主眼として実施する。
(4) 出納検査 (法第235条の2第1項)
会計管理者等から提出された検査資料について、毎月の計算を確認するとともに財政収支の動態を、主として計数面から把握し、適切な指示をすることを主眼として実施する。
(5) 決算審査 (法第233条第2項又は地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第30条第2項)
決算書その他関係書類に基づく計数を確認するとともに、予算が合理的かつ効率的に執行されているかどうかを主眼として実施する。
(6) 基金運用審査 (法第241条第5項)
決算書その他関係書類に基づき計数を確認するとともに、基金の運用が適正に行われているかどうかを主眼として実施する。
(7) 健全化判断比率の審査 (地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項)
村長から提出された健全化判断比率の算定と、その算定の基礎となる事項を記載した書類の作成が適正に行われているかどうかを主眼として実施する。
(8) 資金不足比率の審査 (地方公共団体の財政の健全化に関する法律第22条第1項)
村長から提出された資金不足比率の算定と、その算定の基礎となる事項を記載した書類の作成が適正に行われているかどうかを主眼として実施する。
(9) 財政的援助団体等の監査(法第199条第7項)
財政的援助、出資及び支払保証を受けている団体、信託の受託者並びに公の施設の管理受託者に対し、当該財政的援助等に係る出納その他の事務の執行は適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施する。
(10) 指定金融機関等の監査 (法第235条の2第2項又は地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第30条第2項)
指定金融機関等に対し、公金の収納、支払等の事務処理が法令の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施する。
(11) その他の監査
ア 直接請求監査 (法第75条)
イ 議会の請求監査 (法第98条第2項)
ウ 主務大臣等の要求監査(法第199条第5項)
エ 住民の請求監査 (法第242条)
オ 職員の賠償責任監査 (法第243条の2第3項、地方公営企業法第34条)
請求又は要求の内容によって、その都度定める。
2 監査の着眼点
(1) 予算決算及び会計事務についての監査の着眼点
(予算について)
ア 予算の執行は、予算の議決の趣旨に従い、計画的になされているか。
イ 予算の議決前執行はないか。
ウ 予算の配当、配分、通知、執行委任等の時期及び額は、適当であるか。
エ 予算の流用又は予備費の充用は、法令等に基づいて行われているか。
また、その目的、理由は適当であるか。
オ 一般会計と特別会計又は特別会計相互間において収支の混同しているものはないか。
カ 会計年度独立の原則は守られているか。
キ 繰上充用について遺憾の点はないか。
ク 予算の繰越は適当であるか。
ケ 必要以上の一時借入金を借入れ多額の利子を支払ったものはないか。
(収入について)
ア 収入に関する条例、規則等は整備されているか。
イ 歳入の会計年度所属区分及び予算科目に誤りはないか。
ウ 調定の時期を遅延しているものはないか。
エ 調定額、納入義務者及び納付期限は適正であるか。
オ 調定の取消、減額したものについて、その事由が適正であるか。
カ 次の事務は適法かつ適正に行われているか。
(あ) 督促事務
(い) 滞納処分事務
(う) 徴収猶予事務
(え) 滞納処分停止事務
(お) 不衲欠損処分事務
キ 前年度収入未済額は、確実に調定の繰越がなされているか。
ク 物件の売渡価格及びその事務は適正であるか。
ケ 次の収納事務は、適正に行われているか。
(あ) 納入通知書発行事務
(い) 納付書による納付事務
(う) 証紙徴収事務
コ 現金領収事務は、適正になされているか。
サ 延滞金及び違約金の徴収は、法令等に照らして正当であるか。
(支出について)
ア 支出負担行為は適法かつ適正になされているか。
(あ) 歳出の会計年度所属区分及び予算科目に誤りはないか。
(い) 予算の目的に沿っているか。
(う) 支出負担行為の整理時期は適当であるか。
イ 出納閉鎖時期は厳守されているか。
ウ 給与その他の給付の額は規定の額に適合しているか。
エ 資金前渡、概算払、前金払等は適法かつ適正になされているか。
オ 物品及び財産の購入について、その時期、質、量及び価格は適当であるか。
カ 補助金、交付金、委託費等の目的、金額、時期及び実績の確認は適正であるか。
キ 支払方法及び支払時期は適法であるか。
ク 歳入歳出外現金の出納保管は、適正になされているか。
(税務について)
ア 課税事務は適正に行われているか。
(あ) 課税台帳及び諸帳簿類の記帳整理は、適正になされているか。
(い) 課税漏れはないか。
(う) 課税事務の遅れているものはないか。
(え) 課税誤りのものはないか。
(お) 課税誤り発見後の処理は、適正であるか。
(か) 実態調査は適正になされているか。
(き) 非課税、課税免除、減免、納期限延長の取扱い並びに手続きは適正になされているか。
(く) 申告書の提出状況は良好であるか。また、記載内容の調査がなされているか。
(け) 不申告、過少申告に対する処理は、適正になされているか。
(こ) 更正決定の処理は、適正になされているか。
(さ) 特別徴収義務者の指定事務は適正になされているか。
(し) 納税義務者の発生消滅に対する処理は、適正になされているか。
(す) 各種報告事務は、適正になされているか。
イ 徴収事務は、適正に行われているか。
(あ) 関係諸帳簿及び証拠書類の記帳整理は、適正になされているか。
(い) 滞納整理は、適確になされているか。
(う) 過誤納金の処理は、適正になされているか。
(え) 徴収猶予及び換価猶予は、適正であるか。
(お) 財産差押及び換価手続きは、適正になされているか。
(か) 滞納処分執行停止は、適正になされているか。
(き) 現金徴収事務は、適正になされているか。
(く) 有価証券の管理事務は、適正になされているか。
(け) 嘱託、受託事務は、適正になされているか。
(こ) 繰上徴収手続きは、適正になされているか。
(さ) 不能欠損の処理は、適正になされているか。
(し) 滞納金の徴収及び免除又は減免の処理は、適正になされているか。
(す) 個人県民税徴収金の県への払込みは、適正であるか。
(せ) 督促状の発付事務は、適正になされているか。
(計数について)
ア 月次計数は正確であるか。
(あ) 諸帳簿及び提出された諸表の計数は正確であるか。
(い) 保管現金は、帳簿現在高と合致しているか。
(う) 毎月の収入支出は均衡がとれているか。
(え) 歳入の収入状況は順調か。
(お) 収入支出差引不足額に対する資金操作は適正になされているか。
(か) 会計諸帳簿の記帳整理は正確かつ遅滞なくなされているか。
イ 決算計数は正確であるか。
(あ) 歳入歳出決算額は原簿と符合するか。
(い) 予算額は予算原簿と符合するか。
(う) 調定額、収入済額、不納欠損額及び収入未済額等は歳入表と符合するか。
(え) 予備費充当額及び予算流用額は歳出簿又は会計管理者への予備費充当及び予算流用通知と符合するか。
(お) 支出済額、予算残額は歳出表と符合するか。
(か) その他決算関係書類の計数に誤りはないか。
(2) 財産についての監査留意点
ア 公有財産の取得、管理、処分は適正に行われているか。
(あ) 財産の取得、管理及び処分は法令に違反していないか。
(い) 財産は、常時良好な状態において管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に運用されているか。
a 不使用のまま財産を放置し、又は利用上不経済と認められるものはないか。
b 維持修理を怠り、その他財産管理上当を得ず腐朽等損害を増大する恐れのあるものはないか。
c 不法占拠されているものはないか。
d 貸付又は使用許可の財産でその使用方法等が条件に反するものはないか。
e 貸付料の減免は正当なものであるか。
f 公有地の境界は明瞭であるか。
g 防火、防災上の注意は万全であるか。
(う) 財産の取得及び管理事務は適正になされているか。
a 登記登録を要する財産については、所要の手続きを行っているか。
b 財産の所管換え、貸付及び使用許可事務手続きは適正に行われているか。
(え) 財産関係台帳の整備は適正になされているか。
(お) 財産に関する定期報告及び異動報告は適正になされているか。
(か) 所有に属しない財産を借りているものの契約等はどうなっているか。
イ 物品の取得管理処分は適正に行われているか。
(あ) 諸帳簿の様式並びに記帳整理は適正であるか。
(い) 購入、寄附及び生産等より物品を取得したときは、速やかに収支等命令者に引き継がれているか。また、物品について出納通知は行われているか。
(う) 物品の管理状況は適切か。
a 帳簿残数と現在実数と符合するか。
b 帳簿外に存するものはないか。
c 保管上不備のものはないか。あるいは遊休しているものはないか。
d 不要不急品を多量に購入していないか。
e 物品の管理方法が適正でなく、変質、減耗等をきたす恐れのあるものはないか。
f 物品の賃借、管理換え等の手続きは適正になされているか。
g 物品出納職員は保管物品等の点検を行っているか。
(え) 物品の出納は適正になされているか。
a 物品の購入及び売却は適正になされているか。
b 損傷、廃棄、減耗等に関する手続きは適正に行われているか。
c 生産のための材料の払出及び生産物の受入れは、相互の数量が経済的にみて適正であるか。
d 工事材料の払出しについては、竣工の実績に照らしその使用が適正であるか。
e 物品の払出量は、需要量からみて適当であるか。
ウ 債権の管理は適正に行われているか。
(あ) 貸付金については、貸付金整理簿が整備され、貸付、償還状況等が適確に記録されているか。
(い) 貸付金を貸付目的対象外のものに貸付ていないか、また、限度額を越えて貸付けたものはないか。
(う) 強制執行、保安及び取立ては適正になされているか。
(え) 債権についての徴収停止、履行期限の延長又は債務の免除は適正になされているか。
エ 基金の管理運用は適正であるか。
(あ) 基金整理簿の記帳整理は適正に行われているか。
(い) 法令又は条例に違反した運用をしていないか。
(う) 不確実な対象に資金を運用していないか。
(え) 効率的でない運用をしていないか。
(お) 基金運用から生ずる収益及び管理に要した経費の処理は適正になされているか。
(3) 契約検収事務についての監査着眼点
ア 違法な契約を締結していないか。
(あ) 議会の議決を要すべき契約の締結は、当該手続きがとられているか。
(い) 2年度以上にわたる契約で継続費を設定した以外のものについては、議会において債務負担行為の議決を経ているか。
(う) 指定競争入札、随時契約をする場合の理由は適正であるか。
(え) 入札事務及び落札事務は、適正に行われているか。
(お) 契約条項は、財務規則に則って定められているか。
イ 不当な契約を締結していないか。
(あ) 当然一件契約とすべきものを、こと更に分割して契約を締結していないか。
(い) 予算の範囲内において契約が締結されているか。
(う) 予定価格及び最低限度価格は公正妥当であるか。
(え) 入札参加者の資格についての条件は厳正に守られているか。
(お) 指名競争入札並びに随時契約の場合における業者の選定に遺憾の点はないか。
(か) 保証金の免除は妥当であるか。
ウ 契約は確実に履行されているか。
(あ) 納期(又は工期)は厳守されているか。
(い) 検収の結果、瑕疵があった場合の処理は適切になされているか。
(う) 契約の履行遅滞に対し、その処置は厳格になされているか。
エ 検収は的確になされているか。
オ 検査職員は所定の期日までに検査を行っているか。
(4) 工事事務についての監査着眼点
ア 実施計画は適正になされているか。
(あ) 実施計画は予算計画に基づき適正であるか。
(い) 事業計画の変更手続きは適正になされているか。
イ 設計及び起工手続きは適正になされているか。
(あ) 設計書(設計内訳書、工事仕様書、設計図書)は適正に作成されているか。
(い) 設計は現場に適合したものが作成されているか。
(う) 一式設計の根拠は明確か。
(え) 設計書の積算は歩掛表により適正であるか。
(お) 材料支給をなす場合は、設計書に明示されているか。
(か) 監督費、事務費及び工事雑費の内容は適当であるか。
(き) 設計変更の理由及びその手続きは適正であるか。
ウ 請負契約事務は適正になされているか。
(「③契約検収事務についての監査留意点」参照)
エ 工事の実施は適正に行われているか。
(あ) 契約締結前に工事に着手しているものはないか。
(い) 事業財源の収入との関係はどうか。
(う) 事業財源の更正を要するものはないか。
(え) 工事は予定どおり進捗しているか。また、契約工期内に完了しているか。
(お) 工期延長はやむを得ないものか。また、延長手続きは行われているか。
(か) 工事監督に遺憾の点はないか。
(き) 諸規定に定める諸帳簿書類は整備されているか。
(く) 持込材料の検査は適正になされているか。
(け) 支給材料の交付時期、量等は工事の進捗に合致しているか。
(こ) 工事中止、契約解除に伴う諸手続きは、適正になされているか。
(さ) 出来高検査、出来高払いは、適正になされているか。
(し) 設計変更に伴う措置は適切になされているか。
オ 竣工検査及び精算は適正に行われているか。
(あ) 完成検査は厳重に行われているか。
(い) 工事精算書に必要な書類は整備され、その内容に誤りはないか。
(う) 工事費の支払について遺憾な点はないか。
(え) 工事の施工により生じた撤去材、発生材、残材についての処置は適当であるか。
(お) 補助工事について、補助事業の実績が補助の目的を達しているか。また、確認(現場又は書類)行為は適確になされているか。
(5) 事務事業管理についての監査留意点
ア 事務事業は、その本来の目的に即応して効率的かつ経済的に運営管理されているか。
イ 事務事業の目的又は計画は、住民生活の実情その他社会経済情勢からみて、変更又は廃止すべき必要はないか。
ウ 一会計年度間に計画された事務事業量は、客観的な諸要請に即応し、かつ、その目的達成のために必要な量であるか。
エ 予算計画は、事務事業計画に適合し、合理的かつ経済的に策定されているか。
オ 事務事業は、その目的を達成するために計画的に執行されているか。
カ 事務事業の実績は計画に対し、所期の成果をおさめているか。
キ 事務組織その他執行体制は、その事務事業の目的達成のために適当であるか。
(あ) 執行機関相互間の連絡調整が欠け、行政機能が十分に発揮されていないものはないか。
(い) 同一の事務、同様の事業が2以上の執行機関によって行われていないか。
(う) 組織及び運営の合理化について考慮が払われているか。
特に、会計事務処理上の内部けん制制度は適切であるか。
(6) 行政監査の着眼点
ア 事務の執行は、法令の定めるところに従って適正に行われているか。
イ その他、(5)事務事業管理についての監査着眼点を準用する。
(7) 財政的援助についての監査留意点
ア 補助金、交付金、負担金及び貸付金その他の財政的援助(以下「補助」という。)の決定は適正になされているか。
(あ) 法令、規則に違反して補助をしていないか。
(い) 公益上必要がないと認められるものに対し補助をしていないか。
(う) 社会情勢の変動等により、補助の必要性が軽減しているものに対し打ち切り、又は減額その他の適当な措置がとられているか。
(え) 申告書の内容は事業計画又は予算書と符合しているか。
イ 財政援助額及び援助方法は適正であるか。
(あ) 補助金等は、適正に算定され、かつ、補助目的からみて適切であるか。
(い) 補助金の交付時期は、適当であるか。
(う) 概算払、前金払等の交付方法に遺憾な点はないか。
(え) 補助対象事業の変更等に伴う補助額の更改等は適切になされているか。
ウ 補助事業等は、補助の目的にそって適正に行われているか。
(あ) 補助対象事業及び予算計画は適当であり、かつ、両方の計画は符合しているか。
(い) 計画と実施内容は相違していないか。
(う) 補助の効果は十分に達せられているか。
(え) 補助条件の履行は完全になされているか。
エ 会計経理内容は適正であるか。
(あ) 交付された補助金は確実に受入れられているか。
(い) 経費はその目的にそって効率的かつ堅実に執行されているか。
a 補助目的以外に支出し、又は一時他に流用していないか。
b 不必要と思われるぜいたくな支出はしていないか。
c 多額の補助金を理由なく繰越していないか。
(う) 次のような場合には、補助金等は、速やかに返還されているか。
a 財政的援助に係る事業の廃止又は停止があった場合
b 補助条件に違反する行為があった場合
c 補助条件に基づく精算残額があった場合
(え) 返還金を他に流用し、又は不正に使用していないか。
(お) 会計関係諸帳簿等が整備されておらず、補助金等の使途が不明朗なものはないか。
(か) その他会計経理は適正に処理されているか。
オ 出資の目的は達成されているか。
(あ) 出資を受けている団体はその目的にそって運営されているか。
(い) 出資を受けている団体の経営状態は良好か。
(う) 出資を受けている団体に対する監督は適切になされているか。
カ 信託の目的は達成されているか。
(あ) 信託契約の内容は確実に実行されているか。
(い) 信託施設の管理及び運営は適正になされているか。
(う) 資金の調達及び会計処理は適正になされているか。
キ 公の施設の管理委託の目的は達成されているか。
(あ) 委託契約の内容は確実に履行されているか。
(い) 委託施設の管理及び運営は適正になされているか。
(う) 委託料の使途は適正であり、かつ、会計処理は適正になされているか。
(え) 利用料金制をとっている場合、利用料金は適正に決定され、かつ、徴収されているか。
(8) 公金の収納支払事務についての監査留意点
ア 指定金融機関等に対する法令、通達等の指導、連絡は適正になされているか。
イ 預金契約の内容は正確に履行されているか。
ウ 収入した公金は、正規の手続きで歳計現金に組み入れられ、また、支出については会計管理者等の命令どおりに支払機関から正規の手続きで支払われているか。
エ 歳計現金は、年度別、会計別に正確に整理されているか。
オ 歳計現金は、会計管理者の指示どおり預金整理されているか。
カ 口座振替は適正に処理されているか。
キ 送金払いは、会計管理者等が指示したとおり債主に送金し領収書を徴しているか。
また、支払未済金の処理は適確になされているか。
ク 委託を受けた有価証券は確実に保管し、支払期日に取り立て公金収納分として適確に収納しているか。また、不渡り及び返還請求を受けたときの処理は適正になされているか。
ケ 関係諸帳簿の記帳整理及び証拠書類の保管は適正になされているか。
コ 指定金融機関及び収納代理金融機関等相互間の事務手続きは適正に行われているか。
サ 歳入歳出外現金の取扱いは適正になされているか。
3 監査技術
(1) 通査
各種監査の諸資料を一通り検討して例外事項、異常現象を発見し問題点を把握する。
(2) 照合
関係諸記録を相互に突合し、その記録又は計算の正否を確かめる。これには、証拠突合帳簿突合、計算突合、陳述突合及びその他資料突合がある。
(3) 実査
事実の実在性について直接検証する。これには、現物検証、現場検証等がある。
(4) 立会
現場に立会い、その実施状況を視察して正否を確かめる。
(5) 確認
事実の実在性を写真、証拠及び第三者の証言をもって確かめる。
(6) 質問
事実の実在性又は問題点に関し、当事者、関係者、第三者等に対して質問する。
(7) 調整
関連ある調査項目相互の相違点を別の関連資料によって補足し、その実質的一致を確かめる。
(8) 分析
事実の根拠を究明して、これを要素別、次元別、問題別等に分析し評定する。これには比率分析、時系別分析等がある。
(9) 総合
分析した事実をさらに、根拠別に再構成して評定する。
(10) 各種の経営分析手法、統計手法、その他の比較手法を利用し、数値やその他をもって差異を明らかにして、実態を認識し、合法性、合目的性、合理性の観点から事実の性格、程度等の問題点を究明する。
(11) 証拠の提出及び陳述
請求人から証拠の提出及び申し立てを聞き、事案の実体等について確かめる。
第3 監査報告準則
1 監査の結果に関する報告の内容は次のとおりとする。
(1) 監査を実施した監査委員名
(2) 監査の結果に関する報告の日付
(3) 監査の種別
(4) 監査を実施した時期
(5) 監査対象とした課又は、出先機関名(財政的援助団体等にあっては団体名)
(6) 監査の対象とした事項及び範囲
(7) 監査の目的及び着眼点
(8) 意見及び指摘事項
2 指摘事項は、監査対象機関別、事項別等に分類整理して、具体的かつ簡潔明瞭に記載するものとする。
附則(平成19年訓令第3号)
この訓令は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成21年訓令第1号)
この訓令は、公布の日から施行し、平成20年4月1日から適用する。
附則(令和5年訓令第5号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。